スタビリティマッスル(関節の固定・安定筋)


スタビリティマッスル(関節の固定・安定筋)とモビィリティマッスル(関節を動かす筋)

 

インナーマッスルとアウターマッスルという表現を、各種のフィツトネスインストラクター達が使うようになっていますが、これは誤解されて使われているようです。インナーを関節を安定させる筋群、アウターを関節を動かす筋群として、「インナーマッスルを鍛えましょう」とか、「コアマッスルを鍛えましょう」のようなエクササイズを紹介していることを観る機会が増えています。

インナー・アウターという表現は、筋肉の機能での分類ではなく、筋肉が存在する深さを基本とした分類です。

 

かりに、関節を深部で安定させるために働く筋群をインナーマッスルと表現するとしたら、肩関節のローテーターカフ(回旋筋腱板、刺上筋・刺下筋・小円筋・肩甲下筋)のことを一般にインナーマッスルと呼んでいますが、この筋は肩甲骨から始まり上腕骨へ付着して、上腕骨を回転するように機能している筋で、運動軸が近いので、上腕骨を肩甲骨に押しつけ肩関節を安定させています。しかし、刺下筋は体表にあるアウターマッスルで、インナーマッスルではありません。このように、アウターマッスルでも、モーメントアーム(支点から運動点までの長さ)が短く、関節を安定させる役割をする筋肉もあるわけです。また、ローテーターカフの障害が、野球肩や五十肩の原因の1つでもありますが、関節を安定させているだけでなく、上腕を回転させる働きもあるので、インアーとアウターのどちらが関節の安定で重要かではなく、各関節でのバランスが重要です。

 

我々が行う、野球選手への肩関節のコンディション指導においても、ローテーターカフの強化に加えて、スタビリティマッスルの強化を指導することで、障害を予防し、投球動作のパホーマンスが高まることは 確認できています

 

スタビリティマッスルは、モーメントアームが短い筋で、骨と骨を押しつけ関節を安定させる働きが強い筋です。モビィリティマッスルは、モーメントアームが長い筋で、関節運動のトルクの発生に有利で、骨を大きく動かす働きが強い筋です。肩ではローテーターカフがスタビリティマッスルで、三角筋などがモビィリティマッスルとなります。スタビリティマッスルを強化することで、関節の安定する力は高まりますので、腰痛や肩コリ、膝の痛みなどの予防と回復につながります。

 

スタビリティマッスル(関節の固定・安定筋)をトレーニングするには、説明をしたように、モーメントアームが短いので、骨を大きく早く動かす動作ではなく、筋の長さを一定に保つ等尺性運動や、等張性運動でもなるべくゆっくり動かすことで、強化が期待できます。